「岩手」は鬼伝説から?
北海道を除き、日本の県の中では最も広い面積を誇る岩手県。名前の由来は地元に伝わる鬼伝説から来ていると云われる。
昔、羅刹鬼(らせつき)という鬼が暴れまわり、地元の人神様にお願いしたところ、神様が鬼をこらしめ、「二度とここに来ない約束をせよ」と命じ、忘れられないように鬼に三つの大きな岩に手形を押させたと。その「岩に手形」から、「岩手」という地名が生まれたと伝えられており、鬼の手形は現在も「三ツ石神社」として祀られていると。
また文献上に表れるのは、平城天皇の御代に陸奥国磐手の郡から献上された鷹を愛で、帝がつけた名前「磐手(いはて)」(大和物語)が最初という。いずれにしても古い時代から受け継いできている名称である。そんな土地に平成に開創されたのが今回の観音霊場である。
今回の口絵の長円寺は、岩手三十三観音の第十六番札所。城壁のような高台に境内がある。長い石段、参道の両脇には杉の大木が育っており、寺の歴史を感じさせてくれる。杉の大木から垣間見える石垣、山門の風景を描きとっている。
by 休日画人