東三十三観音

東三十三観音 水彩画 常鑑寺 休日画人の古刹めぐり

この「東」に関する資料が乏しい。
調べてみると、みどり市は2006年に群馬県新田郡笠懸町、山田郡大間々町、勢多郡東村が合併しできた比較的新しい市。ここに気になる「東」が出てくる。あづまと読む。この東村は1889年の町村制施行により南勢多郡の花輪村、荻原村、小夜戸村、小中村、神戸村、座間村、草木村、澤入村が合併し誕生。明治初年時点では前橋藩領であったらしい。さらに時代をさかのぼっていくと、この「勢多」なる郡名の初見は『続日本紀』で勢多郡少領(郡司の次官の意味)として上毛野足人が記され、この地の権力の座にあったことが出てくるとか。これらの情報から鑑みると、古くからこの地域は「勢多」として親しまれており、江戸中期にこの霊場が開創されたころ、またその地域は勢多の東部に位置し、東三十三観音と命名されたのではないだろうか。
今回の口絵の常鑑寺は、東三十三観音の第一番札所。急峻な階段を上り境内へ。狭い土地に大きな本堂が建立されており、石段をのぼりつめると、目の前にで~んと本堂が迫りくるように建っている。絵は本堂の横から、斜めに見るアングルでスケッチをしている。

by 休日画人