駿河国。言わずも知れた徳川家康が大御所として君臨していた土地。
山が海近くまで迫り、その海には黒潮が。気候的には大変温暖な土地となっていますが、山が迫る分、起伏が多く、丘陵地帯には傾斜に沿って茶畑が広がっています。こと札所についてもこの傾斜地を利用した寺院が多く、そういった観点から御寺の境内を観察してみるのも一興かと思います。駿河三十三観音霊場はその名からもわかるように駿河湾に沿うように、藤枝市から東進し沼津市まで直進的に広がっており、一般的なループとなるタイプとは趣を異にしています。
今回の口絵の法華寺は駿河三十三観音霊場の第十番札所。八脚門の門柱と控え柱から見える景観をスケッチ。本堂は中庭の先の石段の上に鎮座。その後方にはうっそうとした森林が茂っています。この観音霊場で注意したいのは第二十一番の霊山寺。山の中腹にあるため、かなりの階段を上ることになります。喝を入れてのぼりましょう。
by 休日画人