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出雲三十三観音

 

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・花山法皇による開創?

・島根県の宍道湖を中心に分布。

・しっかりと案内板が設置されている。

・出雲大社近くの長谷寺からスタート。 

  まずは南下していき、雲南市をめぐっていく。

  中段で山沿いを西から東へと進み、安来節で有名な安来市へ。

  終盤は宍道湖と中海に挟まれた松江市をめぐる。

 

 

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「第二の人生」?

 

ずっと行きたいと思っていた、神話と現代が交錯する場所。

そう出雲大社。 今回やっとその思いを叶えることができました。

そんな事由もあり、旅の舞台は出雲三十三観音霊場。

 

この霊場について調べてみると、

「・・・花山法皇が神の国出雲の地に観音霊場を開き、仏と神の力によって国の平和と民衆の幸福を達成しようとの願いを込めて順拝されたのが始まり・・・」と出てくる。

 

まじ?

あまりNHK大河ドラマには興味はないものの、今年は花山天皇が登場しているらしい。何たる奇遇。

 

古刹めぐりをされておられるご歴々におかれては、花山天皇はよく知られた方なのではないでしょうか。

日本最古と云われる西国三十三観音霊場の復興に偉大なる貢献をなされた方でもあります。

 

史実を調べていっても、

花山法皇が西国三十三観音霊場を行脚された伝承は出てくるが、、、、出雲へ出かけて行ったような話は出て来ない。

 

話は逸れるが、坂東三十三観音霊場の公式サイトには、花山法皇と坂東三十三観音霊場との関連について

「・・・花山法皇が関東に下向されたとは信じ難い・・・札所の権威づけを意図したものといえよう・・・」

と書かれている。

 

出雲三十三観音霊場においても同様、権威付け的な位置づけであったのかもしれない。

 

ましてやこの出雲の地は、

後述の長徳の変において、花山法皇に弓を射った罪状によって左遷された藤原隆家の配流先でもあるのである。

 

 

すこし花山天皇ついて見てみよう。

花山天皇は第65代天皇。 ちなみにいまの令和の今上天皇は126代目である。

冷泉天皇を父とし、2才で皇太子となり、17才で即位。

父に似て奇行が多く、好色だったとも云われている。

 

この時代はまさに摂関政治の真っ只中。

藤原氏を中心とした権力争いにより、コロコロを天皇が変わっていく。

 

17才で即位したものの19才で出家させられてしまうことに。

これは寛和の変といわれ、物語などによく登場してくるお話。

藤原道兼の策謀により、

花山天皇の女御であった忯子の病死をきっかけに気落ちする天皇に

”自分もいっしょに出家します” とウソをつき夜陰に紛れ、内裏を脱出。

出家する事前になって道兼は所要でいったん家に戻ると言ってエスケープ。

天皇のみが出家し、道兼は戻らずに出家をしなかった、、、、、、という逸話。わる~。

政権はいとこの一条天皇に移り、時代は藤原道長の黄金期へと進んでいくのである。

 

現代、観音霊場を巡拝する恩恵を受けている方々におかれてはちょっと複雑な感じがするのではないだろうか。

天皇がもしこの策謀に乗らなかったら、観音霊場はどうなっていたのだろうか、、、と。

 

出家した花山天皇は圓教寺で性空上人に出会い、やがて比叡山延暦寺にて灌頂受戒し法皇となる。

その後那智山で千日修行などをし大きな法力を身につけたという。

そうした第二の人生の中において、西国三十三観音霊場などの観音霊場の復興へおおきな力を発揮していくのである。

 

しかしながら法皇になっても好色癖は無くならなかったようで、これが下記の長徳の変の引き金となっていく。

 

藤原道長の政敵となる、甥の伊周と弟の隆家。

事は、伊周が故太政大臣藤原為光の娘三の君に通っていたことに始まる。 

そういった中、花山法皇が三の君と同じ屋敷に住む四の君に通いだしたのである。

伊周は三の君に通っているのだと誤解し、弟の隆家に相談。

隆家は法皇とは知らずに従者の武士を連れて法皇一行を襲撃。法皇の衣の袖を弓で射抜くといった事件が発生。

藤原道長は、これをチャンスとばかりに、伊周を大宰府、弟の隆家を出雲に左遷し、盤石な政治基盤を築いたのである。

 

法皇は40才にて悪性腫瘍により崩御す。

 

歴史にタラレバはないものの、

もし花山天皇が道兼の策謀に引っかからずに出家していなければ、、、、

現代の観音霊場めぐりの歴史そして文化はもっと違ったものになっていたのかもしれない。。。。

 

 

出雲三十三観音 水彩画 リストA 休日画人の古刹めぐり
出雲三十三観音 水彩画 リストB 休日画人の古刹めぐり

 

 

 

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