<<参考情報>>reference
・明治25年(1892)一番札所の今町寺住職らによる開創
・山形県中央の村山地方に南北縦長に点在
・各札所に看板がある。
・一番札所は天童市の今町寺から始まる。南下しながら札所を打って行き、中段で山形市に至る。ここで反転し再び北上。山形市の札所を巡りながら再び天童市へ、さらには東根市へと北上していく。最後はこの札所の最北となる禅会寺で結願を迎えることになる。
<<ぷち情報>>petite info
山形県は大きく分けると四地方から構成される。
南から、置賜地方、村山地方、最上地方、そして庄内地方。気候・文化などの面で差異はあるものの、出羽の霊峰に代表される信仰深い土地柄である点は差はなく、たくさんの霊場が随所に形成され現在に至っている。
今回の旅の舞台である新西国中通三十三観音霊場は、県央の山形盆地を含む村山地方と呼ばれるエリアに点在している。この村山地方には大動脈である国道13号線と山形新幹線が南北に貫いており、これに沿うようにこの西側エリアに新西国中通り三十三観音が広がっている。開創当時の名称は「新西国村山三十三ヶ所」と云われるも、この村山地方には東側エリアにも観音霊場があり、現在は新西国中通三十三観音霊場の名称を冠している。
今回の口絵の今町寺は、新西国中通三十三観音の第一番札所。東北中央高速道路と押切川が交差する辺りにある。郊外には米どころの名を荷う広大な水田とさくらんぼ畑が広がり、遠方を見れば、高い山並みに周囲を囲まれている。今町は小さな集落であり、この寺を訪れるには迷うところはない。今回巡拝した時には、まだ拝殿は風雪避けの透明の波板が打ち付けられており、ここの自然環境の特徴をアピールしてくれていた。